Jean Paul Gautier 変形スーツ 90's France [C1952]

ジャンポールゴルチエの90年代の変形スーツです。
表記はないですがウールコットンの素材感は柔らかく90年代前半に流行ったソフトスーツの流れを汲んでいます。
この柔らかでテロッとした素材感と淡いベージュがとてもリラックス感があり映えています。
一見するとオーソドックスで前衛的なデザインがあまり入っていないように見えますが、きっちりと意匠は入っています。
まずは一番目立つ背面のチェーンループ。(画像9,12枚目参照)
内側に配置するこのループを外側に配置しているこのデザインはゴルチエ氏のインサイドアウト(内側をあえて見せる同氏の代表的なデザイン)の意匠が上品に出ています。
それに合わせて背面の襟を取っ払うといったデザイン性が面白いです。
そして前面はあくまでもオーセンティックな作りで、段返り3つボタンにしたVゾーンや襟やポケットの淵に入れられたAMFステッチ(ハンドステッチ風の意匠のこと)、さらに本切羽になってボタンを開閉できる袖口と王道な意匠にしているのが本当に良いバランスです。

パンツもジャケットと合わせて背面にシンチバックのようにチェーンループが配置されており、小さな意匠が効いています。
ただ普通は分からない意匠がパンツに投入されています。
それはパターンで通常のパンツの足を通す部分のパターンは内側と外側の二枚を組み合わせ縫合してパンツを組み立てますが、本商品は内側しか縫合がありません。(画像14枚目参照)
つまり両足それぞれ一枚の素材で一枚袖のように縫っているということです。
誰も注目なんてしなく、また製作する上で明らかに非効率なこのパターンを採用するところに一流デザイナーの設計思想を感じることができます。
ぜひ柄シャツと一緒に合わせて着こなしてください。

状態はヴィンテージとは思えないぐらいとても良いです。

商品写真の着用者：身長175cm体重78kg
ボトムスはきついですがジャケットはぴったりの着用感です。

サイズ[cm]
ジャケット
表記 48 (M-Lサイズ相当)
肩幅 46
身幅 49
着丈 77
袖丈（肩〜袖先） 65

ボトムス
表記 48
ウエスト 81 (31inch相当)
レングス 75.5
股上 28
総丈 98.5
ワタリ 29
裾幅 21